なんだかなぁ

 某漫画(多分ふつうに生きてたらすれ違いもしないだろうタイプ)があまりに強烈な印象を落としていて、しかも一部で妙に白熱してたりして、知らぬ存ぜぬが一番なのは分かってるけれども少し言いたい。




 生理的嫌悪感は大抵、背く行為を無意識に推奨している、つまり自己防衛な訳で、殆どの場合、正しい。




 美しさを醜い視点のみで見るな。





 それは単純に、個人の趣向の問題だ。




 私だって残虐さも鬱屈した美しさも儚さも絶望も希望も、全てが連結して成り立つ構造くらい分かる。けど絶望でしか存在しないような希薄な希望や美なんか知らない。そんな未来しか望めないような、哀れな人間の巣窟しか広がってないんなら自分から死んでやる。醜いと呼ばれようが関係ない。屍ならいくらだってくれてやる。絶対に精神は崇高なまま死んでやる。




 年のいかない子供の悲惨な最期はいくらだって世界に残ってる。ドイツがかつて盲信して行ってしまった事、アメリカが開拓される時代に先住民にふりかかった現実、繰り返されたアフリカの征服、人身売買。今だって続く。隣人同士の憎しみ合い、果てのゲリラ戦。問題化する子供ゲリラ兵。まだ十歳にも満たないまま村を侵略した人間の妻にならなければならない少女。





 目を背けたくなるのは知りたくないからじゃない。





 想像出来るからだ。





 面白いだと。傑作だと?



 いくらでもある残虐極まりない話に輪をかけて美しいだのその裏にある精神だのをまるで古代の哲学者のように心酔して表現して絶賛して。




 単純に性癖じゃないのか。