久々の松本入り。山は好きだ。風景の中で違和感なく生活にとけ込んでる。平野は人が、山は木が寄生する。密度は見た感じ、濃いぞ。
 でもアルプスは少し趣が違う。険しすぎてそびえ立ちすぎて、空間から独立してしまってる。やつらは冷たい。空の影だ。太陽が沈む頃が一番黒い。浮きだして、とがってる。邪気をはらんで。


今回の北アルプスは霞んでて、何だかミステリアスだった。穂高岳位はわかってたつもりなんだけど、雲が隠してた。久々なんだから顔見せてくれたっていいのに。
女鳥羽川でぼぅっとしてたら、案外交通量多い。観光地だし自然も多いけどやっぱ一応都市なんだな。最近東京に慣れてたから、車の音と子供達の声、川のせせらぎ、虫の羽音、風の鳴き声、それら多重和音は何だか、懐かしいというより悲しかった。

あのころから考えると、いろんな事知った。失った。
当然のように。