2005-11-25 辺境の渡り うた 幼い頃の記憶手をつなぎ今は見えない道を歩いた暗闇の中に浮かび上がる緩やかな静けさ暖かさは手のひらからじんわりとにじみ子供は盲目のまま何処までもいける目を瞑っても変化する四季色鮮やかに鮮明にそしてついには喪失し捜し求めるだろう一度克明に付けられた傷跡故にデンデラ野をゆく老女はやがて自分の手のひらからこぼれ落ちていく温もりの中に身を横たえたのか微かな懐かしさと共に 目を瞑る先に彩る宇宙は幾多の星をちりばめて無言のうちにここに在るお空は大抵広すぎる海は大抵深すぎる枯れた宇宙抱えて目を凝らして時折霞む光足を引きずってでも目指して歩いて旅をする者、辿りつく時、 いつか帰る家。