スターウォーズから…

 ジブリの顔として有名な鈴木さんのインタビューを見たのだが、ゲド戦記の世界観はその後創作された映画や物語に多大な影響を及ぼしていたらしい。スターウォーズすら、ゲド戦記無しには出来なかったとか何とか。宮崎さんの作品は随所に影響が見えてるんだけど、そうか、スターウォーズもかぁ。言われてみればそうだよねぇ。最終的に悪を滅ぼすのはダースベイダーで、そこまでの仮定に勇者が必要だった訳で。最大の敵ってのは案外、倒すべき存在なんじゃなくて寧ろ受け入れるべき存在なのかもしれない。悪を滅ぼすと言うよりも、息子を守る為にやった事が結果的に悪を滅ぼしたのだし。



 影との戦いでは、その才能故に傲慢になっていたゲドが、禁断の術を使用した所同時に悪しきものを呼び出してしまった。実体の無い、影のようなものだ。行く先々で人に取り憑いてそれがかなりキモい…。そいつはゲドを殺しその姿をのっとろうと追いかけ回し、ゲドは逃げ続けるのだけど、最後には対峙する為自ら向かっていく。影の真の名、それはゲドだった。悪しきものは自分自身だったのだ。悪しきものを自分の中に取り戻して、物語は終わる。





 今世界中で起きている凄惨な出来事は、対岸の火事なんかでなくて、私達はそういう生き物だ。歴史は繰り返すし繰り返す歴史に対して人は常に無知だ。政治も政治も人生すらも、綺麗事だけで語るには余りに荒み過ぎている。



 それでも、書かれたり作られた物の中に潜むメッセージはふとした瞬間に何かを気付かせてくれるのだ。その抵抗は微力かもしれないけど、伝わらないのかもしれないけど、ただ単純に平和を叫ぶよりも強い意志を感じるから、現在に対する諦めでなくて、次の人達に託した希望みたいな物が見えるから、その抵抗の中に自分も組み入れて、メッセージ絶やさないように生きていこう、私も。