何度でも帰れる場所にいこう


 昔、


 馴染んでいた風景は不思議


 やがて遠くなるなんて露にも思わないで、


 自分の場所、目指してた。


 もっと違う所にあるって、


 まるで夢を追いかけるような話で


 だって私は確かにそこにいたのに。





 あの頃そこにいた私が、


 今明らかに他人として蘇る


 ふと目を上げたら私が、


 自転車飛ばして通り過ぎて行きそうで



 変わらない風景なのに、


 そんな風景の中、変わらずに生き続けるなんて不可能で。




 人の時間は繰り返し、ループ


 昔君が住んだ場所を歩くよ


 いつか出会うなんて、


 そんな未来分かりっこなくて


 それでも他人の私たちは同じ場所で何度でも、


 すれ違いを繰り返す。




 時間を共有しなくても、


 同じ山見てた


 同じ町を歩いた


 同じ川を渡った


 同じ月を見上げ、


 独りぼっちだと思ってた。




 手をつないで見上げた山は、


 あの頃と全く変わってなくて、


 一人自転車で行く私を受け入れた風景は、


 同じ様に未来すら飲み込んでくれるんだ。