ゲド戦記みたいっっ

アースシーの風 ― ゲド戦記V

 何かよくわかんないらしーね。元々テハヌーの話でもある第四巻はめちゃくちゃ難解で、今読んでも理解出来るかどうか。そんなテハヌーの話と初めて難しいと感じたレバンネンの話が合体しちゃってる訳だから、そりゃ分からないやろなぁ。




 最近やっとアースシーの風を読みだしたんだけど、あれ読まないとテハヌーが全然分からない。あぁそうかぁって、何だか謎解きになってる。例えばテナーとテハヌーが真の名前を隠さないのは、テナーは元々アチュアンの巫女だしテハヌーは竜だし、ゴントの魔法使いの文化に縛られていないから。逆にゲド達は真の名前に縛り付けられているばかりに、へたに明かすととんでもない跳ね返りがある。



 ゲド戦記シリーズの面白いところは、ゲドが主役なのは実質上一巻だけ。二巻はテナー。三巻はレバンネン。四巻はテハヌー。五巻に限っては、テナーとレバンネンとテハヌー。ゲドはのんきに農作業に徹したじーちゃんになっちゃってて、全然出てこない。



 人と竜はそもそも一つだった。約束を破り魂の循環を絶つに至った人、更に遠くに旅立った竜。人と竜の決別によりこの話は終わっているから、色々な意味で重要だったのは、人の子でありかつ竜でもあるテハヌーだったのかもしれない。そしてテハヌーが竜になるのを選択したように、現実的人の社会もまた、取り返しのつかないところまで来ているのかもしれない。