欲の話


 この前丸山弁護士がテレビで、遺産相続か離婚後の財産分配か良く分からないけど、土地を巡る争いについて話していた。
「虫とか動物には聞いてみたのかって思うんですよねぇ」



 はぁ。確かに。



 ニンゲンが勝手に俺のだあたしのだーって主張してる訳だけど、そこにはもっと色々な生命体住んでるもんねぇ。

 何というか、根本を忘れてる人って多い。私達ってそんな特別なもの?人だけに、生きるという意味で人生なんて言葉があるけど、結局は持ちつ持たれつな生態系のサイクルから逸脱して個体のみでは生存出来ないのですよ。植物から始まって分解者で大地に還り又始まるサイクルね。



 お金とかさぁ。そら無いと困るけど、ありすぎるお金を皆でよってたかってさぁ。自分以外を敵に回して争奪戦とか見苦しいだけですよ。そんなんどーでもいいじゃない。前にいた家でおじいちゃんが死んだ時、おじいちゃんの死を悲しむ人は殆どいなかった。直後に遺産を巡る冷戦が勃発。有利な立場にいるだけで受ける嫌がらせの数々。


 
 遺産なんてどうでもよかった。私にとってはおじいちゃんがいるかいないかの方が重要だった。ただ周りが醜くて仕方がなかった。醜い人達に翻弄されて干からびていく母やその親が情けなかった。


 物欲はヒトを上に見立てている点でとても醜い。周りの自然風景を排除し見えているのは金の有無。何て狭くてつまらない世界だろ。自分と金しかない世界なんて。




 チベットの一部の地区では伝統的に鳥葬が主流です。ワシだかに食べさせて大地に還ろうという思想。この考え方、ある意味本随。それも又、最近の食生活の変化によるのか、ヒトの体を嫌がって鳥が食べてくれなくなってるとか。
 ナチュラルにそう変化してしまったのは悲しいけど、亡くなった人の為に、必死に食べさせようとしている残された人達の姿勢は、その土地で本来あるべき姿だよなぁ。



 人がヒトの社会に根付きすぎて真っ先に忘れるのは暖かさです。自分以外の誰かの為に向けるエネルギーです。
 すっかり忘れきってしまった生き物の醜い事といったら。