最近の産婦人科事情


 病院を電話上でたらい回しにされた挙げ句お母さんが亡くなってしまった奈良の事件ですが、地方の、殊産婦に関しては、システムが構築されていないのはほぼ常識になっている位、有名な話でもあります。




 問題は多岐に渡っている。一つは医者不足。都会に医者が集中するからという理由以上に、産科に行きたがる人が少ない。何故か。裁判沙汰になる可能性が圧倒的に多いのです。しかも負けるんだっけな。
 そしてそれに伴う、一人の医師にのしかかる負担の大きさ。通常勤務のお医者さんでもかなりタフな肉体じゃなきゃやってらんない仕事量な上に、地方の産婦では一年間ぶっ通しで勤務が続くらしいです。つまり土日祝日という休息日がない。
 それから問題になるのは、ベッド数の絶対的な少なさ。産科急患の対応出きるシステムの不在。ほじくりだしたらいくらでも出てくるでしょうね。




 誰かが生きていくための職を選ぶ上で、やっぱりやりがいだけを掲げても民の為になりません。犯人を仕立てあげ叩いても更に民の為になる筈がない。事件までに行き着く過程で必ず問題点があって、その一つ一つを見ていかないと。産婦人科医は増やせないのか、ベッド数は増やせないのか、受け入れ先を迅速に決められるホットラインに不備は無いのか。これは全国的に言える事でもあります。