天城山心中


 思いは適度に混沌とさせたほうが良いのかなぁとふと思った。原色のままでは生き抜いてはいけないのかもしれない。


 昨日、切羽詰まる理由もなく自死に向かうその瞬間はどんなものなんだろうという話が少し出てたけど、高校生の時私も突き詰めて考えてみた事があります。結局はっきりした事は分からないのだけど、瞬間的に現れるエネルギーの形は途端に何よりも純粋なものになるのではないかと。勇気でも愚鈍でも何でもなく、その人はその人そのものに染まるのではないかと。完全に色が確立されてしまえば、痛みも喜びも何もなく直前まで考えていた行動のみが流れていく感じ。また自分が戻ってくれば再び時は流れ出す、分けへだつのはただ奇跡としか言いようがないタイミングで。



 純粋な色に染まりやすい人っていると思うのですよ。芸術系ばかり考えている人は特にそう。川端康成の小説は美しすぎる。三島さんもそう。太宰さんもそう。



色は、…混ぜないと