じぃちゃん

 誤飲性肺炎で入院して、そのままなかなか良くならず、先生から後一週間と言われたそうだ。私が散々お世話になったから、と昨日Yさんがお見舞いに来てくれたんだけど、何というか、あの部屋がいけないのか、斜陽を感じずにはいられない雰囲気がある。いっこうに沈まぬ太陽を背に、長身の影が長い時間張り付いてしまっているような。一言で言うと、分からない。生きていくのか、それとも違うのか、分からない。


 それにしても色々な人が見舞いに来てくれます。皆良い人です。あの家族の一員として確かに貢献したじぃちゃんの功績なんだと、改めて思うと共に、頭の下がる思いです。


 私が一人前になれば、やっと孝行が出来ると思っていた。あの状況を真っ先に理解してくれたのは多分じぃちゃんだ。どれほど救いだった事か。でも、もしかしたら時間がない。


 とにかく、あの夕暮れの世界に飲み込まれないように。


 意識をとどめられるように。