君の胸には聞こえぬか

鳴り響くは絶対的な祝福の鐘のおと




我らは愛し愛される為ただの躯のような生を反芻せねばならぬ


その絶望の狭間に揺れる君よ


あたたかなぬるま湯につかって凄惨な美を愛おしむ心をいかにして得られよう



単純な情動は言葉による理屈を受け入れない



日常はかくも退屈で鬱陶しく不愉快で時に運命はいともたやすく足下の砂をぬぐい去る



だがそれがなんだというのだ




 我らのなかに常にある絶対的な祝福の鐘を鳴らせ


 今君には聞こえぬか


 生と死を近似した証は真っ直ぐに空を貫いている


 万物を介して表現される壮大な音楽の調べ


 古から続く静寂のみが初めから我らをくまなく語り続ける