臨床検査技師がカンボジアでなかなか育たない
ポルポト派による知識人の虐殺が背景にあるそうです。医者も看護士も何もかも殺された。検査技師がいる訳がない。
学術を排除し完全共産主義のユートピアに訪れた全土に渡る飢餓。
カンボジアの暗黒の時代は記憶に新しい。革命が成功したからと祖国に帰った留学生も、悉く殺されたそうだ。ボロボロになっていく国と、当時の情勢を理由にポルポトを支援する西欧諸国。国連でさえ。よって近代稀にみる同一民族の大量虐殺は最近になるまで露呈せず。
フランスによる支配から、旧日本軍が独立という希望を与えてしまった。
その後展開する、米ソ対立の流れに沿う形で、クメールルージュは戦闘兵器を恩恵のように入手する。銃口は自分たちの民に向かった。地雷は子供達に手を広げた。ぬいぐるみに仕込まれた爆弾。抱きつく女の子を木っ端みじんにすることに、焦点を置いた。
カンボジア内部の迫害された人々と一体化してポルポトを撃つベトナムを、世界先進国は一斉に非難する。これは侵略だと。
誰も、気付きもしない。ボロボロに変わり果てた彼らの祖国。
先を行く国はいつだって、外交という名の下に、仁義を排除する。
何が先進国だ。
何が国のためだ。
間違えた事を声高らかに正当化出来るのが政治家の能力か。私たちの力か。
今、私たちがタイにもたらしたものはタイを攻撃している。
あの時カンボジアを世界が見捨てたように。
あの時イラクを混沌に貶めたように。
私たちにとっては対岸の火事なのだ。火元はこちらにあるのに。
例え荒れ果てた祖国を持とうとも、例えその歴史を抹殺されていようとも、願わくば彼らの瞳に悲しみ以上の希望を見いだせるように。
祖国に、自分に、そして皆に、誇りをもてるように。