物語・翼を持つ人

1、学校襲撃(1)

誰がなんと言おうが篤司は先生が大好きだった。篤司はまだまだガキだから、多くの言葉を知らない、だから先生をうまく表現する事が出来ない。だからこそ、この単語に全てをかけるのだ。どんな人だったの?ね、どんな人? 「僕は、大好きだよ」 でもどんなと…

(1)

人の愚かしい所。挙げたらきりがない。死を前に彼らは表情にすら断末魔の叫びを宿らせ、全身で拒絶する。自分で選んだと言うのに。 「さぁ、行こう」 シルカが促すと、彼らはあるいは駄々をこねるように嫌々をし、仕方なく彼が刃物のように尖った腕を振り下…