作者どわすれしたぞ…

「旅人かえらず」


旅人は待てよ


このかすかな泉に


舌を濡らす前に


考えよ人生の旅人


汝もまた岩間からしみ出た


水霊にすぎない


この考える水も永劫には流れない


永劫の或時にひからびる


ああ かけすが鳴いてやかまし


時々この水の中から


花をかざした幻影の人が出る


永遠の生命を求めるは夢


流れ去る生命のせせらぎに


思いを捨て遂に


永劫の断崖より落ちて


消え失せんと望むはうつつ


そう言うはこの幻影の河童


村や町へ水から出て遊びに来る


浮雲の影に水草ののびる頃