ただその言葉さえ


 ロードオブザリングの終わり方は好きじゃない。


 背負った運命が過酷すぎた時、負った傷は一生かけても癒せない。安らぎは死しかない。


 本当に?



 放射能で汚されたチェルノブイリに花が咲いたように、


 
 草は時を、姿を刻む


 草の様に生きるのは常に自然に従うとも限らないものだけど。




 永遠の仔の最後にもあるように


 ただ私達は一つの言葉に導かれたいだけなのだ。


 意味を見いだせず、

 路頭に迷い


 掴み取る粉は傷跡にしみるだけでも


「生きていても、いいんだよ」


 ただその言葉だけが


 何にも増して束縛する効力を持つ。




 あなたにもらった言葉の意味が、


 あなたの声で蘇るのを、


 湖畔の陰、眠りを引き裂いて、


 心地よい響きを伴って、


 聞こえた。




「生きていても、いいんだよ」



「私達は、生きていても、いいんだよ」