記憶なんて知らない


 思っていたものの重みが


 無視できる空間なんてない


 既存は無限に変化なし。ただ目をそらしているだけで


 昔話はいつだってもたらすものは焦燥


 手が届かない未来にしか存在出来ない私には



 戸惑って振り払って


 泣き寝入りしてるだけ



 勘違いは夏に終わった


 一方的に視界に住むのは淋しい


 だから再び出会えて良かった


 にこにこと暮らすって


 自信はあっても風にあたれば髪が揺れる


 前が、見えなくなる位


 知らない瞳は知られないまま


 私は再度前を見よう


 だけどやっぱり、一方的に見るのは辛い



 まだ笑顔を追っているの?


 時々だから煙にまぎれるの?


 なくしたものは見つからないの?


 夕陽に照らされた影は長く長く、


 私を道に張り付けるから


 どうせ動けないから


 私が笑っていれば


 振り返って又笑ってくれるって


 少し願いながら待っていた。



 願いはそんな


 たわいもない事。



 記憶の前に、いつだって


 私がいたかった