ここにしか咲かない花は


 何でこんなに泣けるんだろ。



 あの優しかった場所は今でも変わらずに僕を待ってくれていますか。待っていてくれますか。待っていないでいい、待つ事なんて出来ない、変化の流れは襲いかかるから、止まらないから、でも振り返れば、どんなに遠く遠く、歩いてしまったとしても、動かないでいて、変わらないままでいて、お願いだから、暖かさはそのままでいて、例え遠く離れても、いつか前に進むための風景を通り過ぎるから、何度でも、立ち直り又先を見れるから、だからそれまでは、確かにそこにあるように。




 君が見た優しい場所はもう背景になれたかな。歌ってたんでしょ。叫んでたんでしょ。誰だって優しいと思われる場所で切り裂かれる。日向の暖かな玄関で一人凍えてた、きっと私も君も日だまりの中ですら光を見いだせずに、暖かさを求めてさまよったんだ。



 ふるさとは遙か彼方でいつか再び出会える時を探してる。